Dorico Pro は初期設定では、スラーと弧内のアイテムとの衝突を回避するように、形状と位置を自動的に調整します。
つまりある符頭が、上向きにカーブするスラーの中で他より高い位置にある場合、または下向きにカーブするスラーの中で他より低い位置にある場合、衝突を回避しつつ符頭がスラー内に収まるように、スラーのカーブが調整されます。個々のスラーおよびプロジェクト全体のすべてのスラーの衝突回避を無効にできます。
では、衝突回避のためにスラーを調整する方法を変更できます。これには、調整におけるスラーの形状の変更と終端の移動のバランスの選択や、左右非対称なスラーを認めるかどうかなどが含まれます。
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譜表をまたぐスラーの衝突回避
では、譜表をまたぐスラーの衝突回避をオンまたはオフにできます。譜表をまたぐスラーの衝突回避をオンにすると、音符が譜表をまたぐ位置に応じて譜表をまたぐスラーのカーブが調整されます。ほとんどの場合、これによってスラーの形状が改善されます。
補足
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譜表をまたぐスラーの配置は複雑さが増すため、浄書モードにおける手動の調整がさらに必要となる場合があります。
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譜表間の S 字型スラーは衝突回避を一切行なわないため、これらの設定は適用されません。
臨時記号を二分するスラー
出版される楽譜における記譜規則に従えば、スラーは垂直方向のスペースを抑えるためにフラットの臨時記号の棒を二分できますが、シャープやナチュラルを二分できません。
「浄書オプション (Engraving Options)」の「スラー (Slurs)」ページでは、スラーによるさまざまな臨時記号の二分を許可/禁止したり、臨時記号の棒がスラーから突き出す最大量を変更したりできます。